中日新聞:集団的自衛権を考える 憲法学者・渋谷秀樹氏(59)

中日新聞:http://www.chunichi.co.jp/article/feature/our_kenpo/list/CK2014042002000179.html

 

<要約>

 現在の政府は不正確にも、国連憲章に照らし合わせて「日本が主権国家である以上、集団的自衛権を有している」と言うが、「国連憲章規定はあるが、憲法は個別的自衛権の行使しか認めていなく、憲法が認めていない以上、集団的自衛権が無い」と言うべきである。自国の平和と安全が脅かされていないのに、砂川事件の判決を持ち出して「集団的自衛権の行使は認められる」と主張するのは論理に飛躍があり、無理な解釈である。

 

<疑問>

 なぜ、集団的自衛権を主張することで、現在の政府は近隣諸国との緊張に対抗できると考えるのだろうか。

 

<考え・主張>

 日本は自ら戦争を行ってはならず、ましては戦争に加担してはならない唯一無二の国である。しかし、現在の政治家は集団的自衛権を主張している。それだけ近隣諸国との緊張は深刻なものであることがわかるだろう。日本は戦争の悲惨さを経験し、それを後世に伝える義務がある。政治家たちは集団的自衛権を唱えるのではなく、強い外交政治の在り方を探って行くべきである。